流派はどこが良いのか

前回の投稿をご覧の皆様はお察しかと存じますが、私が入門したのは裏千家でした。写真は2年前、裏千家の代表的な茶室”今日庵” 中に入れませんが正面玄関だけでもと拝んできました。
さて、友人のミカが通っていたのが裏千家だとうっすら記憶していましたが、実のところ習うとしたら、表か裏のどちらか二択。本流のオーラを感じる表千家はそれだけで魅力的と感じてはいましたが、右も左も分からない私にとっては、裏千家で学ぶ方が不安は少ないと思っていました。
理由は、
1、茶道人口の約過半数を占める(通える教室が多い)
2、最大人口の流派なのでお道具などが求めやすい。
3、料金体系が明確
4、多少派手な着物でも大丈夫
4は安心材料ではないですね。単純に私の願望(笑)でも着物が着たいという動機で始めた私です。お茶事に行く時には素敵な着物で行けたら嬉しいですよね。でも理由の1は茶道を始めたい方にはとても現実的な理由です。趣味で始める方が殆どと思うので、
『通えるところがこの流派だったから』
そうやって茶道を始めた方はきっと多いと思います。流派にこだわり過ぎるあまり茶道を始めるのが遅くなっては勿体無いです。それでも、できる限り流派を吟味したいという方もいらっしゃると思うので、
三千家について

500以上もある茶道の流派ですが、ここで三千家について触れておきます。言わずと知れた千利休を祖とする茶道で最も耳にする事の多い三つの流派です。
- 表千家 昔ながらの伝統を重んじ千家流茶道の本家として古くからの所作を受け継いでいます。お茶を点てる際はお茶の水面が三日月の見えるくらいの泡立て方をし、深い味わい。
- 裏千家 伝統を重んじつつも新しいやり方を取り入れ、開かれた茶道として多くの人が親しめる事を大切にする流派です。また、椅子に座った点前があり時代に合わせて柔軟に変化もしている。華やかな着物も許され、お茶の立て方はきめ細やかな泡が全体をふっくらと覆い、まろやかな味わい。
- 武者小路千家 合理的で質素簡素な茶室と所作を追求。独自のシンプルな美意識と点前が特徴。三千家の中で一番保守的と言われますが、合理的なのは時代に合わせて柔軟な対応によるものだそうです。武者小路千家は表千家と共通点が多いと言われますが、ここは違っていますね。お茶の点て方は泡はやや控えめで茶碗を傾けてお茶を点てます。
細かくいえば点前や所作の違い、お道具の違いなどありますが、お茶の精神は同じと思います。どの流派が上または下などはなく、それぞれの特色や違いは私にとっては新鮮でした。社中の先輩にご本人は裏千家だけど旦那様は表千家という方がおられます(笑)また大きな一般向けの茶会では色んな流派の方のお点前が見れて面白いです。武家茶道なんかもかっこいいですよ。
そんな沢山の流派が仲間として尊重し合い、励む茶道の世界の奥行きの深さがまた魅力的に感じました。
お茶はどの先生に指示するかも大事ですが、どの流派を選ぶかでその後の茶道人生が大きく変わるので重要視したい方も多いと思います。
ですが、前述の通り、希望の流派が近場にないこともあるかもしれません、そんな時はご縁に委ねても結果楽しいと思っていただけるのではと私は楽観的に思います。