お茶会の心得

『正客』と『お詰め』〜茶席の重要ポジション〜

marinca52

~その席、ちょっと待った!お茶席で“うっかり”しないために〜

茶道の世界に足を踏み入れたばかりの頃、お茶会に呼ばれるとドキドキですよね。

何を着ていこう、いつお辞儀すればいいんだろう… それだけでも精一杯なのに、実は座る場所にも、ちゃんと意味があるんです。

特に注意したいのが、「正客(しょうきゃく)」と「お詰め(おつめ)」の席。

知らずに座ってしまうと、その日のお茶会が…いきなり大役スタート⁉ なんてことにも。


「正客(しょうきゃく)」とは?

お茶席でのお客様代表。亭主とのやりとりや、会話のリードを任される立場です。

一番亭主に近く、お点前が一番よく見える位置に席が設けられます。

お軸やお道具について質問したり、他の客の流れを導いたりと、その役目は多岐に渡ります。


先生
先生

正客は選ばれし人しか、なれないポジションです。

「お詰め(おつめ)」とは?

正客と対になるような、もう一つの重要ポジション。

お詰めは、末席(まっせき)=最後に座るお客様を意味します。

実はこの末席、「とりあえず一番後ろで目立たないように…」という初めてさんの安住の場所にあらず!

茶碗や道具を建水に返すタイミングを見極めたり、流れを細かく把握して動くなど、

かなり経験と観察力が求められる、上級者向けの席なんです。


ようこ
ようこ

思わず一番後ろと思って座ってしまいそう!

ミカ
ミカ

とりあえす端っこは避けたほうが無難だよー

大寄せの茶会だと『お詰め』なんかは、気にしなくても良かったりもするけどね!でも正客は必ずいるものなんだよね。

茶道あるある:鬼の譲り合い

お茶会が始まる前、受付を済ませて席入りのタイミングになると、

そこかしこで繰り広げられるのが──

「正客になりたくない譲り合い」!

Aさん「どうぞ、正客席に」

Bさん「いえいえ、私は…」

Cさん「いやいや、滅相もない!」

──まさに“鬼の譲り合い”。

このやり取りを目にすると、「あ、これが本物の茶道あるあるか…」としみじみします(笑)


初めての人が気をつけたいポイント

❶ とりあえず、煙草盆のある席には座らない!

煙草盆(たばこぼん)が置いてあるのは、正客の目印。

うっかりその前に座ってしまうと、周囲から自動的に正客認定されてしまうかも。

❷ 両端の席(=正客・お詰め)は避ける!

お茶室の両端──床の間の前と、出入口付近は、経験者が座る特等席。

初心者は、真ん中あたりを狙って座ると安心です。


正客もお詰めも、事前にお願いされるのが基本

本来、こうした役割は亭主側から事前にお願いされるもの。

突然その場で指名されることは、正式な茶事ではほとんどありません。

だからこそ、初心者さんは無理に前や端に座ろうとせず、

「今日は学ばせていただく日」として、真ん中で静かに観察するのがベストなんです。


最後に

茶道は、誰もが最初は初心者。

けれど、ちょっとした知識があるだけで、自信を持ってお茶席に臨めるようになります。

正客とお詰めのこと、煙草盆の目印、譲り合い劇場──

ぜひお茶の席では、この記事を思い出してくださいね。そうするとそのお茶席をもっと楽しむ事ができるはず。

今日は何故この掛け軸なのか、何故このお茶碗なのか。正客と亭主のやりとりでその意図や演出がわかるとまた、見え方も変わります。

またお詰め方の気配りにも感動したりします。

あなたのお茶道が、ますます楽しいものになりますように🍵

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ようこ
ようこ
駆け出し茶人(小習い)
福岡県在住のアパレル販売員。趣味で始めた茶道にまつわる日々の徒然を配信中。
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